【2011春夏-2026春夏 コレクション ハイライト】コレクションを「見る」ということ ーファッションショーの役割を2025年に考える
Quick View|この記事の要点
・ファッションショーは「新作発表」から「体験と価値観を共有する場」へと変化してきた
・トレンド装置としてのコレクションは、2010年前後に一度その役割を問い直されている
・ストリートとコレクションは分離を経て、ラグジュアリーによって再接続された
・「See now, Buy now」やパンデミックは、ショーの存在意義を改めて浮き彫りにした
・2025年現在、コレクションは流行を生む場ではなく、文脈を提示する場になっている
・ファッションショーは、どのように変容し、2025年の現在地で何を伝えているのか
ショーは「新作発表」から「体験共有」の場へ

写真:「ディオールオム」2011春夏コレクション
Photo by Koji Hirano
2025年に行われた各地のファッションウィークやデザイナーのショーを取材・編集して感じるのは、ファッションショーが新作発表の場という役割を超え、体験や価値観を共有する場へと移行してきたという点だ。この流れはここ数年で突然生まれたものではなく、時間をかけて積み重なってきた変化が、現在ひとつのかたちとして表れている。
ファッションウィークを振り返ると、ショーは常に同じ役割を担ってきたわけではない。トレンドを生み出す装置であり、ブランドの思想を伝えるメディアであり、ときには時代の空気そのものを映す存在でもあった。これまでの変遷を踏まえながら、ファッションショーとは何を伝える場なのか、そして2025年という現在地から、その意味をあらためて考えてみたい。
ファッションショーは元々、ファッションの総合芸術と言われていたが、今はとびっきりの才能を集めたコンテンツだ。もはや単に次のシーズンの服を見せる場ではない。音楽や空間演出、キャスティングやストーリーテリングを含め、ブランドが何を大切にし、どのような世界観を描こうとしているのかを体験として共有する場になっている。ショーはプロダクトの発表であると同時に、価値観を伝えて潜在顧客とつながるものとなった。
文:山中健
※本記事は、apparel-web.comに掲載されたレポートをもとに構成しています。
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