写真：本日オープンするバーニーズニューヨーク銀座本店のウィンドー
「バーニーズニューヨーク銀座本店」が本日9月19日にリニューアルオープンします。「バーニーズニューヨーク（BARNEYS NEW YORK）」はアメリカ高級百貨店でNYの象徴でした。それが1996年に連邦倒産法第11章 (Chapter 11)の適用を受けて倒産しました。現在は「オーセンティック・ブランド・グループ」がマスターライセンスを持っています。
日本では1989年に伊勢丹がライセンスを取得し、その後住友商事系の投資ファンド、セブン＆アイ・ホールディングスを経て2023年にラオックスに移り、現在に至るという独自の道を歩んでいます。
BARNEYS NEW YORKと私の記憶
私は「BARNEYS NEW YORK」に思い入れがあります。伊勢丹が新宿に「BARNEYS NEW YORK」をオープンした時、私は伊勢丹の店頭におり、朝礼などで毎日「BARNEYS NEW YORK」について聞かされました。当時、郷ひろみさんと二谷友里恵さんという有名人ご夫婦をキャラクターに起用し、CMも流していました。ただしオープン当初は売上が伸びず、「ずっと続くのか」などと伊勢丹の仕事仲間と社食で話したことを思い出します。当時は「BARNEYS NEW YORK」のスタッフも伊勢丹の社食を使用しており、ドアマンを務めていたモデル男性と肩を並べて昼食を食べたこともあり、懐かしく思います。
「売上不振」とささやかれながらも、ラグジュアリーブランドを交えたデザイナー編集、他の日本の百貨店にはない独特のムードが漂っており、ベンチマークの店舗として何度も通い、買い物も楽しみました。私がここで買い物をしたのは1990年代が多く、「クラシコイタリア」をモダンに再編集したものが好きで、イタリアのファクトリーメーカーのシャツやネクタイ、レザーシューズ、ハンカチ、カフス、そして時々買ったスーツなどを思い出します。
写真：新宿店は2021年に閉店
ニューヨークの店にも足を運びました。マディソンアベニューの店にあったカフェはリサーチの合間の休憩所代わりに利用、ソーホーにあった「BARNEYS Co-Op」はカジュアルで買いやすくて大のお気に入り、チェルシーにあったアウトレットもNY出張最終日に必ず行く店でした。そして2016年に創業の地であるチェルシーの七番街に復活した「DOWNTOWN フラッグシップ」も感動した覚えがあります。しかし、いまはそれらは全てなくなり、「サックスフィフスアヴェニュー」の中に小さなコーナーがあるだけで、他の売場と区別がつかないほど。アメリカでは役目を終えたのだと寂しい思いをしていたところでした。
写真：NYマディソンの店の跡地はポップアップスペースに
写真：NYダウンタウンフラッグショップ（今は閉店）
大人のための「GINZA WONDERLAND」を目指す銀座本店
そして本日、銀座本店がオープン。私は一足先にプレビューに行って参りました。本当は昼間の内覧会に行く予定でしたが間に合わず、夜のカクテルパーティーに参加しました。
リニューアルは1階がメイン。入口に入ると現れるのがポップアップスペース「ユニオンスクエア（UNION SQUARE）」。今は「ここのがっこう」のデザイナーたちによるポップアップを開催しています。そして右手にはギフトスペース「チェルシー ギフト（CHELSEA GIFT）」とカフェカウンター「バーニーズカフェ バイ クラウドロースター（BARNEYS CAFE BY CROWD ROASTER）」。これまでの「BARNEYS NEW YORK」のヘリテージを凝縮しながら銀座にローカライズした売場です。
写真：「チェルシー ギフト（CHELSEA GIFT）」
写真：バーニーズカフェ バイ クラウドロースター
地下1階のメンズアパレルではかつてと異なりドメスティックブランドを多く取り扱っています。近隣の「ドーバーストリートマーケット銀座」よりは手頃なブランドもあります。また海外からの訪日客にとっても日本のブランドと出会えるショーケースとなっており、国内客からすると「NY気分」、訪日客からすると「日本ならではのものと国際的なブランドを買える店」となっています。
地下1階のメンズフロア
写真：カクテルパーティーの様子
大人のための「GINZA WONDERLAND」を目指すという同店。今後、どのように収益化していくのか注視していきたいと思います。
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