
「オーセンティック・ブランズ・グループ(Authentic Brands Group、ABG)」の創業者で会長兼CEOのジェイミー・ソルト氏と、アジア・パシフィック社長のウェスリー・チュウ氏が、「NRF 2025: リテールズ・ビッグショー・アジア・パシフィック(APAC)」2日目となる2025年6月3日、キーノートセッション(基調講演)に登壇した。
ABGは現在、世界第2位の知的財産(IP)ライセンス企業としてグローバルに存在感を強めている。傘下には「リーボック」「チャンピオン」「フォーエバー21」「ブルックス ブラザーズ」などのファッションブランドに加え、「ニーマン マーカス」「サックス・フィフス・アベニュー」「バーグドルフ・グッドマン」「バーニーズ・ニューヨーク」など百貨店グループを含む80以上のブランドを有し、150カ国以上に展開している。
世界には6,000の直営・フランチャイズ店舗と約24,000の販売拠点を持ち、1,700社以上のパートナー企業と連携。一般的なアパレルメーカーとは異なり、自社で製造を持たずに高収益モデルを築いている。現在のグローバル小売売上高は年間320億ドルを超え、今後5年以内に1,000億ドルの達成を目指すと明言した。
AIとデジタルの力で「人を増やさずに成長する」
ソルト会長は「我々は“壊れたブランド”ではなく、“壊れたビジネスモデル”を買収して再生する」と語り、ABGをファッション企業ではなく「テクノロジー企業」として再定義してきたと強調する。同社の従業員数はわずか540人ながら、AIやデジタル技術を駆使して高い効率性を実現している。
たとえば、法務部門では契約書作成の95%をAIが担い、事務業務の大幅な自動化を実現。動画コンテンツ制作にもAIを積極的に導入し、「従来の10分の1のコストで、150カ国に向けた多言語のインタビュー映像を展開できる」と語った。「こういうことは“やっているようで、実は誰もやっていない”」とも述べ、AI活用における先進性を強調した。
マーケティングにおいてもSNSと動画を軸に展開。InstagramやTikTokを中心としたプロモーションによって、月間7,000億件という驚異的なインプレッション数を獲得している。元NBAスターのシャキール・オニール氏を起用したReebokのプロモーション映像も、AIによって多言語化され、150カ国以上で配信されたという。